「洋服を通じて、楽しくなる世界を作りたい。楽しくなるための仕掛けづくりは、まだまだできていない。」キーザンキーザン代表インタビュー

 

今回はkiizankiizan代表の井上さんに、アパレル業界の課題をどう考えているのか、kiizankiizanが取り組む課題がどういうものかを聞きました。今後まだまだ成長していきたい想いには、どういう理由があるのかを明らかにしていきます。


アパレル業界の今とこれから

アパレル業界にはどんな課題がありますか?

はい、まずアパレル業界というのは、60年〜70年前ごろから洋服の既製品が作られるようになってからアパレル企業とデザイナーが主体となり興隆した業界です。若者文化とともに成長してきました。デザイナーがアパレルの世界観にあわせたファッションショーを開催し、バイヤーやリテールが、それにあわせて発注し、そこからメディアとともにトレンドを作り、文化を形成し、いまのアパレルがあります。


順調に右肩上がりで成長してきたときは良かったのですが、ファッションとライフスタイルが多様化したなかで、トレンドを作り、季節を予測したうえで洋服を作るのは難しくなります。

また洋服を作る技術革新が進み、工業化が進み、多くを作れば安くなる業界構造があります。もちろん企業は「成長」を求められるので、どうしても昨年よりも多くの洋服を作ってしまいます。

結果、日本だけでも年間約140万トンの排気量が出て、環境破壊への影響が高い業界として認識されています。

このような需要と供給のバランスがアパレルの課題のひとつです。

もうひとつの課題が「ユーザー視点」を考えにくいことにあります。


アパレル業界の「ユーザ視点が考えにくい」とはどういうことでしょうか?

アパレル企業は洋風を販売するためのファンクションは強力です。売るために仕掛けを施して、トレンドを作り全国の店舗で販売します。いかに店舗で売れる情報をキャッチアップし、売れるにあわせて商品をブラッシュアップします。

その手法は、多くのアパレルで多くで近しい洋服になります。ただかといって奇抜なことをしても売れない。強力なファンクションを維持するためには多大なコストが掛かり、そういったアパレルの世界観づくりと売れる正義のジレンマで苦しんでいます。

本来、ユーザーは洋服に何を求めているのか、どんなシーンで、どう着ていくのか、どう人から見られたいのか、にあわせて、自社のブランドイメージと使う場所にあわせて洋服を作ろうとする視点が大事だと考えています。



アパレル業界は今後どうなると考えますか?

昨今はD2C(Direct to Consumer)の潮流があります。これは直接小売と消費者が繋がるモデルです。D2Cのユニコーン企業も多く生まれてくるほどに活況があります。


ただこれはアパレルだけじゃなくD2Cはリテールのそもそもの形です。ユーザーのひとりひとりの生活をリアルに想像し、ユーザーのひとりの声を聞いて、その声を反映した商品作りをするというのは、古来からのリテールの本来の形です。


アパレルで言えば、アパレルが誕生したころは完全受注生産のオートクチュールが主体でした。ただそれも本来的には、ひとりのストーリーをきちんと聞いて、ブランドの方向性とあわせて提案していたといえます。もしかすると今アパレルはオートクチュールの時代に戻りつつあると言えるのかもしれません。ひとりのユーザーの利用シーンを徹底的に想像する。「どこに着るのか?」「どんな洋服が好きか?」をもとに作る世界です。


画一性を出して生き残る企業はユニクロ社のようないくつかのグローバルに展開する大手企業であり、あとの多くはユーザーひとりひとりの価値にあわせ、アパレルが自社の強みをきちんと訴求し、ユーザーの信頼を無くさない洋服づくりが出来るのか?がアパレルの今後には大事だと思います。とてもとても難しいとは思いますが!



テクノロジーとアナログで解決する「ユーザーの悩み」

その課題に対しkiizankiizanはどんな課題に着目していますか?

先程お伝えしたように、弊社はユーザーの価値から考えます。すなわち洋服をどこに着ていくのか?どんな目的で洋服を探してるのか?という課題に対する解決を提供したいと考えています。


具体的な事例でお伝えします。

弊社のサービスを利用しているユーザーに「洋服の悩み」についてインタビューをしたところ


「自分が着ている洋服が正しいのか分からない」


「自分の洋服に自信が持てない」


こんな悩みを持つユーザーが多くいました。


またソースは忘れてしまったのですが、成人男性20~30代で約22%の人が洋服に悩みを持っているという調査結果を見たことがあります。

多くの男性が洋服選びに課題感を持っています。そういう人たちの課題に今は取り組みたいと思っています。



その課題はどうすれば解決できると思っていますか?

課題を解決するためにテクノロジーを使うのは大前提です。ただ人の嗜好性や悩みの解決はテクノロジーだけでは難しいと考えています。

仮に何らかの嗜好性から的確に洋服をサジェストするアルゴリズムを開発し「この洋服が良いんですよ」と提案されて、ユーザーが納得して洋服を買うという未来が本当に来るのかは疑問に感じています。洋服のような感性が優先される世界の購買体験では、合理的だけじゃなく、感情的な納得が意思決定に必要だと考えます。


そこでアナログの要素もとても大事だと考えています。そこはテック系企業とのアプローチの違いです。

僕たちは大枠の正解をテクノロジーを使って解決を考える。ただそのテクノロジーを使った解決の提案は、人というアナログ的な要素を使います。洋服に詳しい人が悩みを持っている人にヒアリングをして、ヒアリングをもとに最終的にスタイリストがテクノロジーを参考にコーディネートを提供することが大事だと考えています。




具体的に、どんなテクノロジーを提供しているのでしょうか?

まず、ユーザーが自分自身の「洋服の悩み」を言語化するのが苦手です。まず悩みの深堀りにテクノロジーを使いません。スタイリストがユーザーの話をきちんと掘り下げて、悩みを言葉にするところから進めています。

ただ洋服の利用シーンや伝えたいイメージのヒアリングにテクノロジーを使っています。いまはチャットボットを開発しています。ユーザーにヒアリングした内容をシステムにデータ保存し、ヒアリングした内容のデータをもとに、深堀りし、提案する洋服のコーディネートの質を向上させています。また多くのユーザーの悩みをヒアリングするためのスケーラビリティのためにもチャットボットが役に立ちます。

次にコーデ作成のシステムもwardrobeというシステムを開発しています。スタイリストのコーデ作成の効率化という観点と、ユーザーから喜んでもらうコーデを担保するためにユーザーのフィードバックをもとに、日々チューニングをしています。例えば喜んでもらったコーディネートの情報をもとに、ユーザーが喜ぶコーディネートを模索するという施策です。

以外にはサブスクリプションを動かすシステムだったり、検品アプリや計測アプリ。すべて現場でヒアリングして、使いやすいシステムを作ろうとしています。

僕らは常にユーザー視点、リアルの声をもとに開発します。現場で使うアプリも現場スタッフに細かくヒアリングして開発していっています。

以外にも色んな取り組みをしていますので、ぜひ一度面談などを通じて詳しくお話させていただければと思います。



僕たちには、まだやるべきことがたくさんある

ユーザーにまだ届けられていない価値はありますか?

ユーザーインタビューでは「洋服の悩みは解決したか」という質問で、多くの方から「解決している」と言っていただけました。


ただ、洋服の悩みをもっと高解像度で解決する部分は、まだまだ改善の余地があります。


そして僕たちが作りたい世界は、悩みの解決だけではありません。


「毎日の着るを楽しく」を作りたい思っています。


僕たちは「安い」とか「便利」とかの合理的以外の部分で、人の毎日が着るを通じて楽しくなるようにしたいと思っています。そのためにテクノロジーとアナログでアプローチをしていますが、楽しいの仕掛けづくりは、まだ10%もできていないと思っています。



応募を検討している方にメッセージをお願いします

先程言った通り、多くの課題がまだ解決はできていません。


やるべきことがたくさんあります。


僕たちはユーザーの課題から考えるチームです。課題解決と同時に「洋服が楽しい」という定量化しにくいものに、イシューを立てて、そのイシューに対して一番最速の方法で、みんなで定量化をし、検証を回すチームです。そして僕たち自身がユーザーに喜んでもらい、僕ら自身がサービスを良くすることを楽しみながら仕事がしたいと考えています。


一番上流の「ユーザーにとって良い」って何だっけ?から考えて、自分の仕事がしたい人にとっては、最適な環境に思います。全員平等なチームなので、そんな環境でチャレンジしたいという方に応募いただけたら嬉しいです。お会いできるのを楽しみにしています。



ありがとうございました!



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